越境EC
なんとなくの越境EC盛り上がり具合を調べます.
その前に銘柄テーマとして"インバウンド"のときはどうだったかを確認.
先ずgoogle trendからは以下の通り.
インバウンドというワードは2013年5月~6月くらいにトレンド上昇し始め,2年後の2015年5月~6月に大体山の中腹となり,2015年12月末あたりにピークを迎えています.
インバウンド関連として適当に選んだ銘柄を見てみましょう.
【8202】ラオックス
【4922】コーセー
【3088】マツモトキヨシHD
【9616】共立メンテナンス
【9713】ロイヤルホテル
【9723】京都ホテル
【4301】アミューズ
いずれも2015年の7月あたりまでは順調に伸びていますね.google trendのデータと並べるとトレンドワードの中腹辺りで株価ピークとなっているので,トレンドの中腹で売ればいいじゃん!となりそうですが,トレンドがいつピークを迎えるかなんて分かりませんね.
そもそもインバウンドのトレンドと関係ないんじゃない?と言われるとなんとも言えません.一応日経平均株価も見ておきましょう.
鶏が先か,卵が先か.インバウンド銘柄が日経平均上昇の主要因とは考えにくいと思うので,基本的にはアベノミクスにしたがって各銘柄が上昇しています.
一つだけ異質なのはラオックスです.他の銘柄はだいたい2013年5月あたりからアベノミクスとともに上がってきている傾向なのですが,ラオックスだけ2014年8月~9月くらいに株価が急上昇しています.
細かいところを見ると,他の銘柄と同じく2013年5月あたりにちょこっと上昇しているのですが,そんなのが見えなくなるくらい2014年に急上昇しています.
2014年に何があったのでしょうか.
業績について見てみると2014年8月12日に会社予想業績を+182.4%としています.それはみんな食いつきますね.
以下2015年2月の2014年度決算では国内店舗事業セグメント利益は対2013年度+807%と凄まじい伸び.これでもう一段高となっています.
■2014年度決算
https://www.laox.co.jp/ir/upload_file/event_01_BN/2015081711051001release_20150212.pdf
その後の2015年中期経営計画でもインバウンドとEC頑張ります!と前向き.
■2015年中期経営計画
https://www.laox.co.jp/ir/upload_file/management_02_KS/release_20120215_01.pdf
2015年8月にピークを迎えていることから,業績に何かあったのでしょうか.ラオックスの月次報告書を見ると7月は前年同月比でマイナスでないにせよ前月の402%というほぼ右肩上がりだった値から一転272%へとダウンしています.8月はさらにそこから若干下がり265%.
■月次報告書
http://www.laox.co.jp/ir/upload_file/library_05/getsuji0918.pdf
そして8月の決算短信
■
http://www.laox.co.jp/ir/upload_file/library_02/15_tanshin-2.pdf
急落のトリガは下記かもしれません.ただでさえ相場が下がるきっかけとなりますが,ましてやインバウンド関連の主力である中国経済の悪化はその需要低下を招くというダブルパンチとして働いたのかもしれません.
かくして,今のところ順調に下落しきって一巡した様子です.将来性という意味ではそこまで今のところ魅力を感じていないのでラオックスについてはこれ以上は深くは調べません.
googleトレンドと株価の相関についてですが,上記例だけだとそういう風にも見えるしそうじゃないといえばそうじゃないとも言える感じですね(笑)
google trendが絶対値でデータを取れると面白いのですが,相対値なのでなんとも扱い難い.こうなると傾きを見る必要がある.今のところ唯一参考に出来そうなのはトレンドの興隆における時間スケールくらいですかね.
上記例だと1テーマは2~3年くらいでトレンドのピークを迎えます.その中腹辺りで株価がピークを迎えるとすると,株価は火がついてから1年以下くらいの上昇トレンドの後に落ち着くという傾向が確認できます.
最近のテーマをそんなに知らないので,後で他のテーマについてもどのくらいの時間スケールでトレンドがピークを迎えるのか確認したいと思います.
そしてようやく本題です.
そう!今回は越境ECについて書くつもりだったのです.以下は越境ECのgoogle trend検索結果です.
インバウンドの傾向を1年くらい遅らせたように見えます.既にピークに近づいているのでは?とも見えまが,私としてはグラフの魔法でそう見えるだけかもといった感じです.
以上,まだまだ判断に使えるレベルには解析できていませんが.決算書と有価証券報告書の勉強の息抜きとして,これからもちょこちょこ調べてみたいと思います.